はなの読書記録

漫画、時々小説の感想置き場

『ゴールデンカムイ』 感想

台風が来てしまったので、外に出ることもできずにいます。楽しみにしていた古本市も結局開催できなかったそうです。そりゃそうだ。こんな暴風雨の中晒されてしまう本も可哀想ですよね。是非またいつか開催してくれるといいなと思いながら、本棚の前をうろちょろ。

そういえば最近、本棚の整理をしました。といっても別に処分するとかそういうことではなくて、ただ並びや配置を変えただけです。最近は買ったものを空いてる場所にそのまま並べるという怠惰を繰り返していたせいで、せっかくシリーズものを揃えていても綺麗に並んでいなかったんですよね。なんとなく出版社や作者ごとに並べられて満足しています。本当は重ね置きするのもやめたいところなんですが、どうしても入りきらないとやってしまいますね。オノナツメ先生の作品とか…見るたびに申し訳なさが込み上げてくるのでそろそろまた新しい本棚を購入するのがベターでしょうか。

 

前置きが長くなってしまいましたので、さて本題。

 

ゴールデンカムイ野田サトル

 

しっかり前回言ったとおりの投稿です。しかしただいま布教真っ最中のため1巻から10巻まるっと手元にないんですよね。他の作品の感想でもいいなと思いましたが、まあやるって言ったし。最新巻が発売されましたし。『ゴールデンカムイ』は大好きな作品でまた感想を投稿しそうなので、今回は細かい内容に触れずに好きな気持ちだけぶつけたいと思います。さっそく花咲けと同じ感じになりそうな予感…

 

細かい内容には触れないと言ったものの、こんなに有名になった作品なので大抵の人がなんとなくストーリーを把握していそうですね。アニメ化もしていますし。

これは個人的な実感かもしれないですけれど、最近は週刊少年ジャンプよりヤングジャンプの作品の方が勢いがあるような気がしています。『キングダム』やこの『ゴールデンカムイ』、『DINER』はもともとあった小説の漫画化ですが最近映画化も果たしましたよね。『こち亀』が連載終了してから、もう『HUNTER×HUNTER』しか読んでいません…いやそれほとんど読んでないじゃん。

話が大きくそれてしまいましたが、『ゴールデンカムイ』はとても勢いのある作品。全人類に読んでほしいです。

ざっくり言えば主人公である杉元佐一(通称、不死身の杉元)が金塊を見つけるためにアイヌの少女であるアシリパさんと手を組んで北海道を大冒険!みたいなストーリーです。

作者である野田先生は、どうしてもギャグを入れないと死ぬ病気なのかな?と読むたびに思います。それぐらいギャグが入ってきます。ストーリーがさりげなく地獄なので、それぐらいギャグが入ってないとやりきれない部分もありますが…。

私は杉元とアシリパさんにどうしても幸せになってほしいと願っている人間なので、2人が美味しそうにごはんを食べていたらそれだけで涙が出ます。杉元とアシリパさんが幸せになれば自動的に白石も幸せになるので、ウィンウィンですね。ちなみにこれを書いている今、MONGOL800の「あなたに」を聴いています。この歌詞に出てくる「こんな世の中 誰を信じて歩いていこう 手をとってくれますか」っていうフレーズに杉元とアシリパさんを重ね合わせずにはいられないんですよね。誰も信じられなくなったとしても、それでも2人にはお互いを信じあってほしいし、お互いが相手の手をとってくれると思いながらいつも読んでいます。

ええ…杉元とアシリパさんへの気持ちが重すぎるよ…

これだけ2人のことを語っておきながら、しかし私の最推しは紛う事なき牛山さんただ一人なのです。牛山さん、本当に強くてかっこいいんです。それと、自分の強さに対する自信から生まれる優しさがあってそこにも惹かれます。偽アイヌが住むコタン(村)に行った回は、牛山さんの魅力がはちゃめちゃなことになっていますので必読ですよ。あれを読んだらみんな、牛山さんに抱かれたいと思いますから。

 

振り返ってみると本当に中身のない感想…。

この作品のいいところはたくさんありますが、アイヌ民族という私には遠い存在の彼らの文化や習慣を、『ゴールデンカムイ』という作品を通して知ることができる点ですね。この作品を読んだら味噌もカレーもみんなオソマになるし、両手にペンを持ってチタタプの真似事をします。上手なチタタプでアシリパさんに褒められたいところ。

また登場人物たちの根底に戦争という重く苦しいテーマが始終存在する点も、この作品がただのギャグ漫画や冒険譚にならないところです。鶴見さんも杉元も尾形も谷垣も、みんな戦争を背負っています。だから、彼らの行動の根底には戦争があるし、人格にもそれが大きな影響を与えています。特に主人公の杉元は、戦争によって大きく狂わされた人物なんでしょう。白石ときゃっきゃうふふしてるのを見れば、本来の彼のあるべき姿を失わせてしまった戦争に対して憤りを感じてしまいますが、戦争があったからこそアシリパさんと出会ったのも事実なんですよね。こうやって考えるとやっぱり『ゴールデンカムイ』はなかなか地獄みたいな作品だなと思います。でも本当に、とても面白いんですよね。

 

後半の感想が重くなってしまいましたが、うんことかで笑える小学生メンタルを少しでも持っていれば楽しめる作品です。

みんな読もうよ『ゴールデンカムイ

 

今回はアイヌ民族に関する作品を紹介したので、次回はチベット民族を題材にした作品『テンジュの国』を取り上げてみたいと思います。

 

それでは、おしまい。