『どこでもいいからどこかへ行きたい』 感想
前回の投稿のはじめの文を見ると「気がつけばこんなにも更新をサボっておりました。反省……。」などと書いてあって驚きました。さて今回はいつぶりの更新?
半年以上経ってますね。やる気のなさよ。
この半年ちょっとの間に転職をし退職をしてニートになったのでブログを更新しております。退職をしたのは本当につい最近です。
まさか前回投稿する時はこんなコロナなんてビールしか連想させない単語が世間を騒がせているなんて思いもしなかったのですが、だからといって今回の退職はコロナとは何の関係もありません。ただ私の精神がもたなかっただけです。
ということで今回は珍しく小説の感想です。小説というか、なんというか。小説ではないのかもしれない。私は本の区分が下手なので。
『どこでもいいからどこかへ行きたい』 pha
コロナのおかげで休日は家に引きこもりっぱなしだったのですが、久しぶりに本屋さんへ出かけてタイトルと目次に惹かれて購入しました。
中をめくることもせず、目次だけを見て「わ、分かる~~~!」ってなるのは珍しいです。
実際退職を決めたのはこの本を読んだこととちょうどラジオからサンボマスターの「できっこないを やらなくちゃ」が流れてきたのが私の中で大きかったのです。
というわけで本の感想。
まず目次に書いてある「ぼーっとしたいときは高速バスに乗る」という一文に激しく共感。わかりすぎる。高速バスほど楽しい乗り物はない。
高速バスのターミナルにいるときのあの高揚感というか、どきどき感は何なのだろうといつも思います。
作者の方と同じく私も大学生の頃は高速バスに乗り何度も東京やらなにやらへ行きました。私の通ってた大学は信州の松本にあって、大学生活自体は友人にも教授にも恵まれた楽しいものだったんだけど如何せん山だけがどうにも苦手だった。
山が苦手というとなかなか理解されないことが多い。しかし同郷の人間はわかってくれた。高層ビルはいくらあっても平気なんだけど、山はだめなんだよね。
だって高層ビルは結局人間の手によってつくられたものだし。でも山は違うんですよ。自然という超えられない壁がそこにあって、私とその同期は海に囲まれた場所からやってきたのもあって山に囲まれるという今までにない経験がどうにも耐えられなかったのです。二人して仲良く大学内のカウンセリングにかかりまあのらりくらりとどうにか持ちこたえたわけですが、今も元気でいるかな。
話が大きく逸れましたが、まあとにかく松本という土地が苦手だった私は時間をつくっては北海道なり関西なり関東なり名古屋なりに出かけてお酒を飲んで暮らしました。
その土地も楽しかったけれどでも一番わくわくするのって旅先に向かう高速バスの中だったんです。
大きなリュックだけ荷物に預けて、本とスマホと財布とヘッドホンだけ車内に持ちこんで少しずつ変化していく景色を見ながら、ただひたすらに暇をつぶすあの限られた時間がどれだけ楽しくて寂しくて幸せだったか。
何度か特急で移動したりもしましたが、やっぱり高速バスのあの楽しさには敵わないと思う。
本の途中でフェリーについても少し出てくるのだが、私が目下気になっている移動手段なので機会があれば(いやなくてもつくろう)乗ってみたいなと思っています。『深夜航路』という作品を読んでからというもの今私の中でめちゃくちゃ熱いんだよな。
この作品を読んでいるとしっかり定職について働かなくてもどうにかこうにか生きていけるんだなと肩の荷がおりたような気がします。
いやもちろん働かないことには生きていけないのだけど、しかし。なんだか「定職につかなくてもどうにでもなる」ってわかってるつもりでも私という人間が小心者だからか変に迷ってしまったりするんです。
もちろん働く気はある。こんなご時世に仕事を辞めていいのかという謎のプレッシャーもあったのかもしれない。転職したばかりなのにもう辞めるのかという、周囲の目を気にしてしまったところも否定できない。
まあでも多分なるようになるので。知らんけど。
少しばかり遊んで休んでそれから仕事を探したいと思います。
そういう意味で、この作品には出会うべくして出会ったのかな。
今日はなんだかまとまらない文章になってしまいました。最早本の感想というよりも自分語りになってしまったことは否めないけれども、どこかでこの気持ちを吐き出したかったんだなと思います。
さて次回からは通常テンションで漫画の感想を書きます。次回はそう遠くないと思います。
餃子を食べにいきます。おしまい。