はなの読書記録

漫画、時々小説の感想置き場

『広告会社、男子寮のおかずくん』 感想

最後の更新からそろそろ一年経つ…ということにようやく気付いた。

はてなブログのアプリがあることを今更知ったのでこれからはまた定期的に更新していきたいけれど、以前の記事を読んでたらこんな口調で書いてたのかと驚きを隠せず…しばらく口調が迷子になるだろうけれど、まあ感想置き場だし、困る人もいないし、そもそも読んでいる人がいないだろうし、多分大丈夫。

 

『広告会社、男子寮のおかずくん』 オトクニ

 

そもそも作者であるオトクニ先生の同人誌を買って読んでいたので、なんというか、ああこのキャラクターならあなたはこういう描き方しますよね!わかります!っていう安心感のような…上手く言葉にはできないのだけれど、とにかくキャラクターの描き方や立て方がオトクニ先生っぽいなあと思った。その、っぽさが私は好き。読んでる時に安心感があるので。最近はどうも漫画やアニメにまでも安心感を求めてしまう傾向がある。ゆるキャン△とか、けいおん!とかね、いいよね。けいおん!何回見返すんだろうって自分でもちょっと引いたりするよね。

話はそれたが、今回この作品を選んだのはちょうど4巻が最近発売されたから。新巻帯で知ったのだが、映画化かあ。つい最近ドラマ化したと思ったらもう映画化らしくてびっくりです。まさか黒羽麻璃央くんが西尾役を演じるとは思わなくてそれも最初は驚いた。ビジュアルだけで言えば完全に東良くんかと思ってたのだ。ドラマは実際見てないのですが、映画化までされるということはなかなかの出来なのかな。

今回ごはん漫画というタグをつけたのだが、この作品はごはん漫画というジャンルの中では比較的ごはんそのものよりも人間関係に重きを置いている…気がする。主人公(西尾和成)とその周囲(ごはんのメンバー)、それから会社、取引先などなど…登場人物たちの生活をある程度しっかり見せて、そこにごはんを描くことで日々の中の一食を少し特別に見せてくれる。美味しそうなごはんと、それまでのエピソードにほっとしてふふっとなる。幸せな漫画だ。

こういう作品はすでに超有名作となっている『きのう何食べた?』があるわけで(こちらもドラマ化しているし、すごく評判になっている)、どうしても比較対象となってしまいそうだから、何か違いを書かねば…と少し悩んでみる。(『きのう何食べた?』もいずれ感想が書きたいものだ!)

どちらかといえば『広告会社〜、』よりも『きのう何食べた?』の方が作中でしっかりレシピを書いていたりする。シロさんは結構説明してくれたりするが、こちらの北さんは説明無しで南郷さんに料理を丸投げしようとしたりするので(そこがとても好き)、あまりずらっと作り方の文章が並ぶことはない。(その分後ろにレシピがしっかり紹介されてます)

大きな違いで言えば、やっぱり人間関係。『きのう何食べた?』は2人がパートナーであるし、またお互い別々の仕事をしている。だからこそお互いの人間関係が交わったり交わらなかったり、それぞれの関係を築いていて、そういうところが魅力なのかなと思う。同性同士のパートナーである彼らが日常生活をごく普通に過ごし、時にその関係故にぶつかってしまう壁とどう向き合うかが綴られている。

それに対して『広告会社〜、』は主要メンバーである4人が同じ会社で働く先輩後輩であり、同期である。同じ会社で働く中で、仕事中にうまれた不安や疑問、嬉しさ楽しさを食卓に持ち寄る、この少し非日常な金曜日をオトクニ先生らしく描いている作品だ。食卓を囲みながらの会話も、仕事の悩みだけでなく健康診断などと言ったクスっと笑えるものまで幅広い。そういう幅広さが、この作品をマンネリ化させずに上手く緩急を与えているのかなと思う。

頑張って比較してみようとしたけれど、やっぱり難しい。どちらも好きだし、好きであることに理由がないので、結局2つとも面白い!以上!となってしまう。むしろ自分としてはよく書けた方だと思う。

 

オトクニ先生の描く北さんがどうしても巻ちゃんに見えてくる病気になってしまっているので、次回は『弱虫ペダル』の感想でも書こうかな。

おしまい。