はなの読書記録

漫画、時々小説の感想置き場

『GIANT KILLING』 感想1

今日は少年漫画の感想を書こうと思う。最近少し可愛いを言い過ぎている気がしなくもないためだ。

 

・『GIANT KILLING』 画 ツジトモ 作(原案・取材協力) 綱本将也

サッカー漫画は多々あれど、この作品が一番好きだ。好きすぎて多分これからも度々感想を書いていくだろうからタイトルにも1をつけておいた。現在46巻まで出ているこの作品、今回は9巻を中心に感想を書いていく。

主人公は達海猛。選手ではなく監督だ。彼が東京イーストユナイテッド(通称ETU)の監督を引き受けるところから話は始まるのだが、そのETUはお世辞にも強いとはいえない。残留争いばかり繰り返している。そんなチームを優勝まで導く、というのが彼の仕事で、まあありがちなストーリーだ。それでも面白い。王道は面白いからこそ王道なのだ。

そして今回語りたいのは9巻。涙なしでは読めないストーリーである。何度も読んで何度も同じところで泣いてしまう。涙腺がばかになっている。

ストーリーは対大阪戦の途中。今季負けなし首位の大阪相手に対してETUは苦戦を強いられるものの、後半徐々にEYUに勢いが出てくる。同点まで追いつくことができたが、もう一歩。強豪大阪からあと一点が取れない。そんな時に達海が期待するのがETUの20番、世良である。

世良は、今季監督が達海になってからスタメンに起用されることが増えたまだ若手のFWだ。身長は小さいし、生まれ持った才能もないし、テクニックだってない。ないものばっかり抱えてる世良がそれでもこのピッチで戦うために、そのために自分にできるものだけを見つけて磨いて輝かせている。

達海が言った「才能ってもんを凌駕する」って台詞。もうね、こういうのに本当弱い。一生懸命頑張った誰かが報われるって王道のストーリーにめちゃくちゃ弱い。

これは推測でしかないけれど、世良はこのピッチに立つまで悩んで迷ってを散々繰り返してるんですよ、多分。その証拠に最後世良はようやく自分という選手を信じてみることができるわけで、それまでは試合に出ながらもこんな自分なんかでいいのか、監督はどうして自分を使うのか、嫌というほど考えてるのね。コンプレックスばっかり抱えてここまできたんだから仕方ない話ですが。それでも、大きすぎるコンプレックスを抱えながらも、サッカー選手を目指した世良が、今自分の足で憧れのピッチに立つことができるならそれは紛うことなき実力って世良本人が自分を信じることが大切。それがわかるのがこの9巻!!!最高!!世良最高!!!

こういうの書いてるとどうして自分がスラダンの宮城を好きになったかがよくわかる。

世良のことを褒めちぎりましたが、自分の推しは世良でもなければ達海でもないのでまたいずれ推しがかっこいい話の感想を書こうと思う。

とにかく大阪戦はよかった。東京ダービーの次の次くらいに好きかもしれない。

付け足しの感想みたいになってしまうが、作者の画力がどんどん上がっているので読めば読むほどさらに楽しい。やっぱり週刊連載は画力のレベルアップがわかりやすいなあ。表紙の色使いも派手で、そこも大好き。

 

ジャイキリを読むとどうしても浅草に行きたくなる。花屋敷のあたりをぶらついていれば、野良猫と戯れる達海に会えそうな気がする。

猫はいいよね。今度は何か、動物でもでてくる漫画の感想でも書こうかな。